ヨツバブログ

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10月2冊目:ナラタージュ/島本理生

少し肌寒くなってきたこの時期に恋愛小説から「ナラタージュ」を選び読みました。「ナラタージュ」とは「ナレーション」と「モンタージュ」を掛け合わせた言葉である人物の語りや回想によって過去を再現する手法です。この作品は主人公の工藤泉の視点から過去を再現され、ストーリーが進みます。2017年に松本潤さん、有村架純さん、主演で映画化されています。

 【概要】

お願いだから私を壊して、帰れないところまで連れていって見捨てて、あなたにはそうする義務がある――大学2年の春、母校の演劇部顧問で、思いを寄せていた葉山先生から電話がかかってきた。泉はときめきと共に、卒業前にある出来事を思い出す。後輩の舞台に客演を頼まれた彼女は先生への思いを再認識する。そして彼の中にも消せない炎が紛れもなくあることを知った泉は――。早熟の天才小説家、若き日の絶唱ともいえる恋愛文学。

 【感想】

 過去を振り返る手法で描かれているので、作品冒頭に結末めいたものがすでに明かされていますが、結末がわかっているから読んでいて切ない恋愛小説らしさも強く描かれています。僕は読んでいて、小野君というキャラクターにとても共感できました。

恋愛小説ですが、様々な要素が盛り込まれていて、放火事件、自殺未遂など読んでいてハラハラするサスペンス要素もあります。男性にも読みやすい恋愛小説だと思いますが、20代後半から30代の読者に強くオススメしたい作品です。